運動で糖尿病を予防しましょう
こんにちは、神保町、御茶ノ水のパーソナルジムトレーナーの井上です。
みなさん糖尿病ってご存知ですか?
健康志向の高い現在において知らない方が少ないかもしれませんね。
糖尿病とは一言でいうと血糖値が高くなる病気です。
血液中のブドウ糖の濃度が上がり、それが血管にダメージを与えます。
日本人の4人に1人は糖尿病か、その予備群といわれています。
糖尿病は、それ自体は直接命に関わる病気ではありませんが、自覚症状がないまま進行して、合併症を起こすことが大きな問題となります。
下記が主な合併症になります。
動脈硬化
神経障害
腎症
網膜症
などさまざまな合併症を引き起こします。こんな危険な病気の糖尿病は全国で2000万人以上いるといわれています。つまり糖尿病は非常に身近な存在となり常に私たちの身体にむしばむ可能性が非常に高くなっています。
と、まあこんな風にお医者さんに健康診断で指摘されても、特に自覚症状がない方が多いので結局何もせずに放置してしまったという人は多いのではないでしょうか?
そうなるのも無理はありません。糖尿病は相当ひどくならないと自覚症状は出てきません。とはいえ進行性の病気なので何もしなかったらどんどんと悪化してしまいます。
糖尿病は投薬や食事療法に加え運動にも効果が期待ができることがよく知られています。糖尿病予備郡と言われた人も、あるいは血糖値が高めで気になる人も運動に取り組んで血糖値を下げることをおススメします。
食事療法と運動療法は血糖値を下げるために効果的です。
摂取するカロリーと糖質の量を抑えることで血糖値の上昇を抑えることができます。
ブドウ糖は身体を動かすためのエネルギーになります。運動すれば血液中のブドウ糖が筋肉で大量に消費され一時的に血糖値が下がります。
定期的な運動を継続して行うと血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きがよくなり血糖値が下がりやすい体質になります。
続ければ続けるほど効果が高まり、積み重ねの効果があるというのが運動療法の特徴です。
それでは、いつ、どのような運動をすれば血糖値を下げられるのでしょうか?
糖尿病合併症を予防するためには1日の中での血糖値の変動を小さくすることが大切です。血糖値を下げるためにまず有効なのが
ウオーキング
ジョギング
サイクリング
などの有酸素運動です。
有酸素運動により筋肉への血流が増える
⇩
ブドウ糖がどんどん筋肉の中に取り込まれる
⇩
インスリンの効果が高まり血糖値は低下
上記を見ると有酸素運動が与えるメリットが大きいのがよく分かります。
インスリンの効果を高めて血糖値を下げる運動には、有酸素運動はもちろん無酸素運動の筋力トレーニングも効果が認められています。
糖尿病は血中の糖の割合が高くなる病気です。筋肉量が多くなれば、その分糖をたくさん取り込んでくれるので筋肉量を増やす筋力トレーニングは有効です。これが有効というエビデンスもあります。
最近の研究では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることによって、より良い改善の効果が生まれることが明らかとなりました。
ハーバード大学公衆衛生学部の長期調査では、筋トレをおこなっていない人と比較すると、
・筋トレを週1~59分おこなうと糖尿病発症リスクが12%減
・筋トレを週60~149分では25%減
・筋トレを週150分以上では34%減
という結果がでました。
平均すると、筋トレの時間が1週間当たりで60分増えるごとに、発症リスクは約13%の減少になります。これらの調査から、筋トレにもかなりの予防効果があることが判明しました。
ちなみにハーバード大学の調査では、筋トレと有酸素運動を併用して週150分以上おこなった場合には、糖尿病発症リスクが59%減少したとの報告もみられます。
とはいえ、いくら運動がいい効果を与えるとはいえ運動強度が上がると、アドレナリンなどのカテコラミンやグルカゴンという血糖値を上げるホルモンの分泌が増える関係上、一時的に血糖値が高くなることがあります。
あと運動強度が上がると血圧を上げてしまうことにもなり心臓や腎臓に負担をかけてしまうリスクも発生します。
やみくもにたくさん運動をすればよいというわけではありませんので注意が必要です。
本日ブログに書いた改善策はあくまでも糖尿病予備群の方と医師から運動の許可を得た重度な合併症のない2型糖尿病の方が対象です。
2型糖尿病は体質や生活習慣が原因となってインスリンの作用不足が起きるもので、通常は中高年の方がかかる傾向がありますが若いうちから発症する人も増えてきています。
ちなみに1型糖尿病は膵臓からインスリンがほとんどでなくなるもので、大部分が成人前に発症します。
糖尿病の方、および糖尿病予備群の方が運動の際に注意が必要なケース
・糖尿病の疑いがある方はお医者さんに相談して運動の許可をもらういましょう。
・経口血糖降下薬やインスリン注射による薬物療法を受けている方は運動中の低血糖に気をつける必要があります。
どれぐらいの強度の運動をするかについてもお医者さんと相談しましょう。
・投薬の治療を受けている方は低血糖を起こしやすい空腹時の運動は避けたほうがいいでしょう。そして血糖値が下がり過ぎた時に備えてジュースやチョコレートなどの糖類を携帯しておきましょう。
・運動をして汗をかくと体内の水分が失われ血液が濃縮されます。特に糖尿病の人は脱水症状を起こしやすいので運動の前後、運動中などは必ずこまめな水分補給を行いましょう。
糖尿病にかかってしまった方、または予備群の方は、普段の生活や食事を見直し、適度な運動を取り入れ規則正しい生活を取り入れましょう。
健康でいられる事は医療費用も大きく節約できる最高のコスパです。健康でいられるという幸せをたくさんの方が理解していただき、多くの方がますます健康に目を向けていただけたらと思います。
本日もご観覧ありがとうございました。
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