日常生活の体幹力
こんにちは、神保町、御茶ノ水のパーソナルジムトレーナーの井上です。
今回は日常生活における体幹の役割について説明していきます。
あなたの体幹力は、現在どのような状況でしょうか?
体幹が弱ってくるとこのような症状があらわれます。
姿勢が悪くなる
腰痛になりやすい
ぽっこりお腹になる
疲れやすい
体のバランスを保つことが難しい
などです。
腰痛になるというのはコルセットの役割を担う腹横筋という筋群が弱くなっている可能性があります。
また片脚でバランスがとれないなどは、電車のちょっとした揺れでもよろけてしまったり、立ったまま靴下履けなくなったりします。そこから転倒して、体を強打してしまう場合もありますよね。
身体の胴体部分にあたる「体幹」は、身体の中心ということで「コア」とも呼ばれ、体幹トレーニング、コアトレーニングなどとして鍛えることが出来ます。
こうした体幹の強さを測る指標としては、バランス能力をチェックするための閉眼片足立ちテストがよく用いられています。
これは眼を閉じた状態で片足を上げ、何秒間その姿勢を保持できるかを計測します。国立長寿医療研究センターによる推定年代別の数値をご紹介します。
・70秒以上…体幹年齢20代
・55~69秒…体幹年齢30代
・40~54秒…体幹年齢40代
・20~39秒…体幹年齢50代
・10~19秒…体幹年齢60代
・5~9秒…体幹年齢70代
・4秒未満…体幹年齢80代
あくまでも参考程度にとらえてもらえればいいのですが、やはり実年齢よりも短い時間しか保持できなかった場合は、体幹を支える筋力や筋肉量が低下し、バランス能力が落ちていると考えられます。体幹がフラフラしてしまうと姿勢が悪くなり、肩こりや腰痛の一因ともなってしまいますし、便秘や生理痛など一見まったく関係ないような症状も筋力低下によるところが大きいといわれています。
あとはもう一つの症状として咳やくしゃみをしたときに尿や便が漏れたりすることもあります。
横隔膜と多裂筋、腹横筋、骨盤底筋がセットになってコアユニットは構成されています。
この骨盤底筋の一番下にあるのが肛門です。
骨盤底筋群の一種である尿道括約筋と外肛門括約筋という筋肉が尿道と肛門にそれぞれ蓋の役割をしています。
肛門がぐっと締まるということは骨盤底筋群が締まって上がっていることを意味します。
骨盤底筋群と腹横筋は連動して動くといわれています。
腹横筋が収縮したときには骨盤底筋群も一緒に同時収縮します。
咳やクシャミをすると腹横筋が収縮します。収縮すると同時に骨盤底筋群の一番下にある肛門がグッと締まります。
無意識のうちに腹横筋と骨盤底筋群が同時に収縮するので咳やクシャミをしても尿が漏れたり、便が出たりしません。
しかしインナーユニットが衰えてくると、この同時収縮ができにくく反応や連動が悪くなります。
人間の筋肉はなにもしないと1年ごとに低下していきます。
高齢者になるとなおさら筋力が低下するので尿漏れを起こしやすくなります。
日常生活で体幹を鍛える方法
運動習慣が大切だと分かっても、なかなか続かない人も多いでしょう。でも、実は普段の生活の中でも身体を動かすことによって、体幹をはじめとするさまざまな部位の筋肉を鍛えることができます。
●移動時に車を使わずに自転車や徒歩で運動量を増やす
●エスカレーターやエレベーターを使わず階段を利用する
●普段歩くときは歩幅を広めに大股を意識して歩く
●電車で移動するときはつり革などを使い、身体が揺れないようにキープする
といったことが日常的な体幹トレーニングとなります。
特に姿勢維持に欠かせない「腸腰筋」は腿上げの動作を繰り返すことで鍛えることが出来ます。積極的に階段を利用したり、ウオーキングや自転車で移動したりといったことは、腸腰筋を鍛えてキレイな姿勢を維持することに役立ちます。
年を重ねるほど若々しくいたいのは誰もが願うもの。その方法は日常生活の中で活動量を上げ、筋肉量を減らさないことが一番の近道になります。
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